まず最初にご紹介するのは『バーディ』という映画です。どんでん返しの映画を紹介するサイトではありますが…

はて?これってどんでん返し映画と言っていいかな?という1作目の紹介から、まさにどんでん返し的展開です。

はっきり言って、あまり知られていない映画です。ご存知の方は少ないと思います。1984年製作。監督はアラン・パーカー、映画好きの方なら、こちらはよくご存知の監督さんです。

主演はマシュー・モディーン、こちらは日本ではあまり知られていない俳優さんですね。これといった代表作もありません。

共演として若きニコラス・ケイジ(髪ふさふさ)が出演しておりますが、はっきりいって主役を喰っています。名優の片りんを醸し出しています。劇中も活躍しているのは、こちらばかりです。

ストーリーは、高校時代からの親友同士のバーディ(モディーン)とアル(ケイジ)がベトナム戦争出兵、帰還するという映画です。正直、日本人にはちょっとピンと来ないテーマです。

バーディは子供のころから鳥に異常な執着を持っており、ベトナムからの帰還後、さらに精神に異常をきたします。それは…自分は鳥である、と思い込んでいるというもの。

アルはバーディを救うべく奮闘する…というお話です。

この映画、本当におもしろいの?と疑念をお持ちの方もいらっしゃると思います。正直申し上げますと、途中リタイアしようと思いました。テーマが重く、映画の進行が想像以上に単調なのです。

ただ、今まで劇場で多くの映画を鑑賞してきました。が、本当に観客が飛びあがったのを見た映画を経験したのは、この1本だけなのです。大げさでいうのではなく、本当に観客が席から飛び上がったのです。それも一人、二人ではなく、観客の多くが飛び上がったのです。

残りの観客も飛び上がらずも、腰は浮いたはずです。まさかと思われるかもしれませんが、本当です。そしてざわめく観客、急に劇場内は騒然としました。残念ながら、もう劇場で鑑賞することはできません。

ご自宅でDVD等で鑑賞することになると思います。観始めたら、途中で止めることなく、一気にエンディングを迎えてください。

で?これがどんでん返し映画なの?とも思われているでしょう。正直ベトナム戦争の出兵と帰還とか、日本人にはピンときません。アメリカの高校生の友好関係も分かるような、分からないような…、帰還後も主人公バーディは、宙を見たままボーっとしたままなのです。

なんだ、この映画?と疑念を持ち続け、単調に続いていた映画。主人公のバーディのように、こちらも無表情のままで観続けていました。ところが観客の表情がラストのたった数秒、いや1秒で激変したのです。

この映画を第1作目にご紹介させていただいたのは、ストーリーのどんでん返しというよりも、観客の表情をどんでん返しするという映画だからなのです。

そして、さっきまで単調な映画を観ていたはずだったのに、なぜかとても楽しいノリノリの映画を観たような気分になってしまったのです。不思議ですよね、こんなに心を動かす映画の力ってすごいなぁ、って実感したのです。

そして、さっきまで無表情だった観客たちは笑顔で映画館を去っていったのです。しかし、ストーリーはあまり記憶に残っていませんでした。

まずは、ご鑑賞ください。