2004年に無名の新人二人がつくった映画『SAW』。当時はまったく期待されていなかったのが、世界中でまさかの大ヒット。そして、続編が作られ、またヒット。そして、とうとうシリーズ化。まさに製作側からすれば、これこそどんでん返し。

そして、公開日が、常にハロウィン・シーズンに重なることもあり、なぜかホラー扱い。確かに目を覆いたくなるシーンは多々ありますが、決してオカルト的なものではありません。

また、2作目、3作目となると、観客も目が肥えてきます。中途半端などんでん返しでは、驚いてくれません。ファンが期待しているのは『SAW』で味わった衝撃なのです。やはり、反応はイマイチ。

その証拠に3作目のラストで、真犯人は死んでしまうのです。もうシリーズ化を終えてもいいように…。ところが、解決していない謎もいくつか…。しかし、真犯人は死んでいる。いったいどうなる?世界中のSAWファンが固唾を飲みます。

2007年、年明け早々。『SAW4』の製作が発表されます。監督は、ダーレン・リン・バウズマン。『SAW2』、『SAW3』で監督をしており、そのまま続投です。ジェームス・ワンとリー・ワネルは製作総指揮に回っています。

こうなるとネット上では、大騒ぎです。真犯人は死んでいるのにストーリーはどうなる?「ああなる」「こうなる」多くの予想が立てられます。しかし、監督はそのようなファンをしり目に豪語します。「ストーリーは絶対にだれにも当てられない!」と。

2007年ハロウィン・シーズン世界同時公開。実は真犯人は生きていた!なんてB級、C級の展開ではありません。オープニングから真犯人は死んでいることをここぞとばかりに強調してきます。でも、ホントは生きてるんでしょ?と疑われる方のために、映画は真犯人の検死解剖から始まりますから…。

一連の事件に関わってきた、SWATの隊長リッグが、自宅にいるところを何者かに昏睡させられます。気が付くと、自宅の中に見知らぬ女が猿ぐつわをされ椅子に縛られている。そして、テープ・レコーダー。再生すると「救う価値のないこの女をお前は救うか?見殺しにするか?」

いったいこのゲームを仕掛けたのはだれ?そして、リッグはどうする?…とストーリーは進んでいきます。そして、このゲームと同時に、二人の刑事が同時にゲームに参加させられていたのです。一人は、事件を担当するホフマン刑事。そして、もう一人は『SAW2』で事件を担当し、行方不明になっていたマシュー刑事。

さあ、このあと三人の運命は?そして、結末はどなるのか?真犯人は?と、残虐なシーンはいくつかありますが、どちらかといえば、正統なミステリーの王道ともいえる展開です。意外と普通のミステリー映画と変わらないではないか?そう思われます。

ところが、さすがSAWシリーズ。で、その結末、どんでん返しは?ネタバレになってしまうので、詳細は申し上げられませんが、ずっと騙されて観続けていたのです。監督にねじ伏せられた感じです。

これから観ようという方は、必ず『SAW』、『SAW2』、『SAW3』を順番通りご覧いただいてから、どうぞ。