結末でどんでん返しを迎えてからも、終わらないエンディング論争。この映画は、いったいどこからどこまでが…?という疑問が浮かんでしまう映画でした。

監督は、『タクシードライバー』『ディパーテッド』で有名なマーティン・スコセッシ。2009年製作。キャストは、『タイタニック』『インセプション』のレオナルド・ディカプリオ。

難解なサスペンスドラマであるため、配給側も字幕よりも吹き替え版に力を入れるなど、公開時「超・日本語吹替版」というバージョンも公開されました。登場人物のセリフはもちろん、目の動き、表情、動きなど、すべてが謎解きにつながるといわれて公開を迎えました。

この映画ほど、何度も何度も観直したいと思った映画もありません。そして、不思議なことに観れば観るほど謎が増えていくのです。結末の判断を観客に任せるように投げかける手法をとることでリピーターは続出していきます。

そして、『シャッターアイランド』(SHUTTER ISLAND)というタイトルにも謎が隠されているのです。アナグラムという言葉遊びで、単語の文字を入れ替えることで別の意味、別のテーマが浮かびあがってくるのです。

時は1954年。連邦保安官のテディと相棒のチャックは、船で外界から隔絶された孤島シャッターアイランドに向かいます。この孤島にあるアッシュクリフ病院で一人の女性が行方不明になったのです。

この病院は精神を病んだ犯罪者を収容するための施設。行方不明になったレイチェルは、わが子3人を殺した罪で服役していました。そして、彼女はこの施設を自分の家だと思い込み、他の患者を近所の人と思い込んでいるのです。

そして、彼女の部屋で「4の法則67番目はだれ?( The law of 4 Who is 67? )」というメモを発見するのです。このメモの真相は、日本人には理解しにくいので観終わってからサイト等で調べるといいと思います。

しかも、島中を捜索してもレイチェルは発見されません。主治医のシーアンは休暇で島を出ており、嵐のせいで電話がつながりません。テディはこの島全体に不信感を持ち始めます。しかし、テディにはこの島に来たもう一つの理由があった、それは妻を殺害したレディスという男が収容されており、彼に会うため。

嵐の翌日、テディはレディスが収容されているC棟に行き、レディスと対面します。しかし、疑念はさらに大きくなり、テディは島の洞窟へ、そこには一人の女性が…!彼女は、灯台で非人道的な人体実験が行われていると話します。

そして、テディは島の真相を確かめるため灯台へ向かう。警備の男を倒し、銃を奪い単身灯台の内部へ…。らせん階段を上っていくその先には…。

事件の真相、島の真相、テディとレディスの関係などの伏線を回収し、どんでん返しを迎えるのですが、謎が多すぎで、もはやこれがどんでん返しなのか、それとも…?

そして、最後のセリフがさらに謎を増大させました。「どっちがマシなんだ?モンスターのまま生きるか、善人として死ぬか…」