「この映画にはある秘密があります。まだ映画を観ていない人には、決して話さないでください。」by Bruce Willis

公開当時、映画の冒頭に主演ブルース・ウィリスからのメッセージが話題となりました。未だかつて、そのような映画があったでしょうか。

監督は、なにかと話題のナイト・シャラマン。1999年製作。世界中で大ヒットしました。日本でも大ヒットし、ナイト・シャラマンは一躍有名監督となります。そして、この映画のすごいのは、リピーターが続出したことです。DVDの発売まで待てない、もう一度観たい!そのような観客がたくさんいたのです。

キャストは、主人公マルコムをブルース・ウィリス。言わずと知れた大スターですね。そして、この作品で天才子役と位置付けられたハーレイ・ジョエル・オスメント。

小児精神科医のマルコムは、妻と自宅にいたところ、患者のヴィンセントに襲われ銃撃に遭います。ヴィンセントはその場で自殺を図ります。

1年後、マルコムと妻の関係は冷めきっています。マルコムは、ある秘密を持ち心を閉ざしたコールという少年に出会い、彼を救おうとします。彼の秘密とは、第六感(シックス・センス)があり、死者が見えてしまうというもの。

コールは言います。幽霊は「自分が見たいものだけが見える」「お互いには見えない」そして「自分が死んでいることに気付いていない」

死者は常に生者に救いを求めています。だから、彼らを見ることができるコールの元には、たびたび救いを求める幽霊が訪れます。それは決してコールが望んでいることではないのに、彼らは一方的に訪れます。しかし、だれもそのことを分かってはくれない。母親さえも…。

当然、マルコムも幽霊の存在を信じていません。しかし、ヴィンセントのときと同じ過ちを犯さないように慎重にコールに対応していきます。ときには学校へ、ときには自宅へ、ときには病院へ、コールを救うために足を運びます。

しかし、その間も妻との関係は修復せず、逆にコールがマルコムに助言をするのです。「話せないのなら、寝ているうちに話し掛けてみたら」自宅に戻ったマルコムは、コールに言われた通り、実行します。それに対して、妻は寝言のまま返しました。それは意外なものだった…。

もちろんホラー映画ですから、ときおり、観客にもコールの視線でおぞましい幽霊が見えてしまいますが、全体的には死者が見える少年と心に傷を負った精神科医の交流を通してお互いに癒されていくヒューマン・ドラマといったところでしょうか。

ところがとんでもないどんでん返しが待っていました。この映画の特徴はリピーターが多いことで話題になりましたが、なぜそんなにリピーターが多かったのでしょう。

これがシャラマン監督の手腕、腕の見せ所なのですね。とにかく脚本もさることながら、撮影のテクニックが素晴らしいのです。視点がマルコムのものだったり、コールのものだったり、それ以外の者の視点だったりするのです。

観客はそれに振り回さながらも、すべてを見せつけられます。だから2度見をしようとする人は、次はだれの視点で観るかを決定して観るのです。すると、前回とは別の観方ができるのです。