映画好きな人、よく観る人に、おススメのどんでん返し映画を尋ねると、必ずこの映画を挙げるという1本です…『ユージュアル・サスぺクツ』

監督は『X-メン』シリーズのブライアン・シンガー。1995年製作です。出演者は日本では、馴染みの薄い役者さんばかりで、有名どころはケビン・スペイシーのみといったところですね。

といいますか、ケビン・スペイシーは、この映画と同年製作された『セブン』で一躍有名になりました。当たり年だったのですね。

タイトルでは「役者の演技はやっぱりすごい!」となっていますが、日本で馴染み薄い役者さんばかりで大丈夫なの?と思われるでしょう。

実はこのケビン・スペイシーが凄いのです。この映画で、アカデミー助演男優賞を受賞し、一気に大スターの仲間入りを果たすことになります。

さらに、この映画はアカデミー脚本賞を受賞しており、緻密に散りばめられたパズルを組み立てるように形を作りあげていくのですが、最後に出来上がったはずのパズルは偽物?…というようなどんでん返しが待っています。

観ていない方は、勘繰りを捨て、素直に観てください。とんでもないどんでん返しを味わうことができるはずです。

ジャンルは、サスペンス映画です。犯罪があって、犯人を見つけるというのが本筋です。しかし、その犯罪というのが、中途半端な犯罪じゃなく、大型船を大爆発させ、多数の死者を出すというもの。

その船はマフィアの麻薬密輸船。マフィア同士の抗争による犯罪と思われます。詐欺師のキントのみが、身を潜めて無事に助かり、捜査官に捕まることになります。そして、尋問により事件について語り始めます。そして、回想をシーンを中心に展開します。

事件の数週間前、5人の容疑者が集められます。彼らは、「常連の容疑者(ユージュアル・サスぺクツ)」。彼らは、宝石強盗を持ちかけられ、それを実行すます。ところが奪ったものは、宝石ではなく、麻薬だった。それを仕組んだのは、実在するかも分からない闇のボス、カイザー・ソゼだという。

そして、船の爆破事件の真相は、麻薬組織の抗争などではなかったのです。運んでいたものは、麻薬ではなく、「カイザー・ソゼを知る男」。この爆破事件は、その男を殺すことが目的だった…。そして、詐欺師のキントはその男がカイザー・ソゼなる人物に殺されるのを目撃してしまいます。その男とは、「常連の容疑者」の一人、汚職警官のキートンでした。

しかし、捜査官は幻のカイザー・ソゼは、汚職警官のキートンと断定。そのキートンが殺されるように思わせることが、詐欺師のキントを生き残らせた理由だとしたのです。しかし、捜査官の推理に納得しないキントは身柄の保護を要求します。

このようにサスペンスの王道を行く展開となっております。事件の真相が解明されていく過程もほどよいスピード感で、カイザー・ソゼなる幻の人物像も脳裏にだんだん出来上がっていくのです。

これ以上はお伝えすることはできませんが、役者って凄いなぁって本当に思える名作の一つです。観終わった後、アナタの口がポカンと開いている姿が目に浮かびます。