ナイト・シャラマン監督の第6作目。興行的には失敗し、シャラマン神話の限界が噂された作品でした。決して悪い映画ではありませんが、『シックス・センス』の出来が良すぎて自らハードルを高くしてしまったのですね。

アイデアとしは斬新で、どんでん返しも少し変わっていて、パッと展開するのではなく、ゆっくりゆっくりと謎解きをしていくのです。

ジャンル分けは難しいところですね、ミステリー?ホラー?いえ、まったく違います。あえてジャンルは「その他」とくくらせていただきます。これが興行的にもう一歩伸びなかったところかもしれません。

キャストはとても豪華です。主人公のヒロイン、アイヴィーをブライス・ダラス・ハワード、最近では、『ターミネーター4』『ジュラシック・ワールド』に出演しています。

そして、問題児ホアキン・フェニックス。『キングコング』『プレデターズ』のエイドリアン・ブロディ。『エイリアン』シリーズのシガーニ―・ウィーヴァー。そして、名優ウィリアム・ハート。

ときは1897年…、良きアメリカを象徴する時代のペンシルベニア州。深い森に囲まれた数十人ほどの閉鎖的な小さな村。ここでは、村人はいくつかの掟のもと自給自足で生活を営んでいます。村人はみなが家族のように強い絆で結ばれ、ユートピアのような理想の共同体を営んでいます。

村を取り囲む森は禁断の森として足を踏み入れることはできません。その森には怪物が住んでいるとされていたのです。村人たちは、この村から出ることはできないのです。

村には赤い花が咲くと怪物が来るとされる不吉の前兆でした。ある日、精神のバランスを欠いているパーシー(エイドリアン・ブロディ)が赤い花を手にしていました。村はそのときから、不吉なことが続き始めます。

恐怖のあまり錯乱状態になったパーシーは、それをなだめるルシア(ホアキン・フェニックス)を刺してしまいます。ルシアは瀕死の状態になります。しかし、この閉鎖的な村では彼を救う医療薬品はありません。このままでは、ルシアが死んでしまいます。

彼を助けるためには、町に出て、医療薬品を手に入れるしかありません。しかし、町を出るためには、怪物が出るというあの禁断の森を抜けなければなりません。ルシアを助けるため、恋人のアイヴィーが一人で町に向かうことになりますが、彼女は目が見えない…。

村の指導者たちは、他の村人たちが知らないある秘密を共有しています。そして、目の見えぬアイヴィーに森を抜けることを託すことになりますが…。そして、アイヴィーは愛するルシアの命を救うため一人禁断の森へ向かうのです。

ここからゆっくりと謎解きがされるのですが、どんでん返しがゆっくりと行われるため、観ている観客の口が徐々に開いていくのです。

そして、物語のすべての真相を知ったとき、唖然とするのです。いったいどこから思い込んで観ていたのだろう…と。シャラマン監督にまたやられてしまったことを知るのです。